腐植とは
動植物の遺骸等が長い年月をかけ、微生物によりそれ以上分解されないところまで分解されたものを腐植と言います。腐植は土壌中でいくつかの重要な働きをしており、土壌中に腐植物質が多いほど、 土の力が高く、植物が育ちやすい良い土と言えます。

腐植が持つ力
腐植物質の中に含まれる有機酸(フミン酸、フルボ酸)は土や水の中の養分を吸着し、 植物に効果的に届ける能力に優れているといわれています。また、土壌中の有害成分を吸着し、 無害成分に変えて排出する力も持っているため、微生物の活動も活性化され、 土壌全体を改善させることができるといわれています。腐植は植物の成長、そして生態系の食物連鎖に 欠かせない重要な部分を担っているのです。 また、腐植物質によって土のCO2吸収率が高まるため、地球温暖化の抑制にも貢献する物質として世界中から注目も集めています。

世界中の腐植が減っている
かつては自然の中に豊かに存在していた腐植物質も、現在枯渇の一途をたどっています。通常自然界では腐植化に100年から1000年かかるとされ、腐植化が追い付いていない現状があります。また、近年人間が商用利用のために自然の中で循環していた腐植物質を採取するという環境破壊が行われており、腐植物質の絶対量が減ってきているのです。こういったことから世界規模で弱まった土壌が多くなっていることが問題視されています。